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「自分で髪を染めると、美容師に嫌がられる?」「市販カラーは使わない方がいい?」と気になっていませんか。
美容師の立場から大切にしたいのは、費用や時間の都合を尊重しながら、髪の状態と希望する仕上がりに合う方法を選ぶことです。セルフカラーを一律に否定する必要はありません。ただし、黒染め後の明るさ調整や、ブリーチ・縮毛矯正の履歴がある髪は、自己判断で染める前に美容室で相談することをおすすめします。
この記事では、セルフカラーへの考え方とメリット・デメリットを整理し、市販品の選び方、染める前の注意、染め方、アフターケアを解説します。主に、医薬部外品の酸化染毛剤を使う場合を扱います。ブリーチやカラートリートメントは使い方・注意事項が異なるため、必ず手元の製品の使用説明書を確認してください。
美容師の本音|セルフカラーより、髪の履歴と次の希望が気になる
費用や時間を抑えたい気持ちは、相談してかまいません
セルフカラーを選ぶ理由には、美容室に通う費用や時間の調整、生え際の白髪が気になることなどがあると思います。
この記事でお伝えしたい本音は、「自宅で染めることだけで良し悪しを決めず、無理なく続けられる方法を一緒に考えたい」ということです。美容師全員の意見を代表するものではありませんが、予算や来店できる間隔も、カラーの方法を相談する材料になります。
美容室では、セルフカラーの履歴を隠さず伝えてください
次の施術で役立つのは、いつ、どの商品で、どの部分を染めたかという情報です。黒染めやブリーチ、縮毛矯正などの履歴も伝えましょう。
美容室では、希望する色、髪の状態、すでに染まっている部分などを確認して薬剤や塗り方を検討します。セルフカラーをしたことを言いにくく感じても、商品の箱や写真を見せれば説明しやすくなります。[1]
セルフカラーのメリット・デメリット
| 観点 |
メリット |
デメリット・注意点 |
| 費用 |
製品を購入し、自分で染められる |
必要な箱数や道具代に加え、色直しを依頼すれば別の費用がかかる |
| 時間 |
来店・移動の予定を組まずに取り組める |
パッチテスト、準備、塗布、洗髪、片づけの時間が必要 |
| 白髪の手入れ |
部分染め対応品なら、気になる部分の手入れを検討できる |
根元と既染部を塗り分ける作業や、後頭部の確認が難しい |
| 色・仕上がり |
市販品の色見本から候補を選べる |
元の髪色や施術履歴によって仕上がりが変わり、ムラが出る場合がある |
| 髪・頭皮 |
使用条件を確認して製品を選べる |
毛髪への負担や、かぶれなどのリスクがなくなるわけではない |
「安く済むか」だけでなく、「自分で必要な範囲を塗れるか」「説明書の手順を守れるか」まで含めて考えることが大切です。パッケージの写真は、誰にでも同じ色を保証するものではありません。[2・3]
市販カラーとサロンカラーの違い
大きな違いは、髪の状態を確認して、薬剤や塗布範囲を調整する人がいることです。
| 比較項目 |
市販品でセルフカラー |
美容室でのカラー |
| 色選び |
自分で用途・色見本・注意事項を確認する |
希望、髪質、施術履歴を美容師と相談する |
| 薬剤と塗り分け |
製品の説明書どおりに使用する |
新生部と既染部などで薬剤や塗布方法を検討する |
| 後頭部・内側 |
自分では見えにくく、確認しにくい |
美容師が髪を分けて状態を確認する |
| 次の施術 |
使用商品・時期・範囲を自分で記録する |
今後のカラーや縮毛矯正を含めて相談できる |
| 安全上の注意 |
説明書の使用条件・パッチテストを守る |
サロンでも薬剤の注意事項・アレルギーへの対応が必要 |
市販用と業務用という区分だけで、安全性の優劣は判断できません。消費者安全調査委員会の報告書でも、成分・品質・安全性について制度上の区別はないと説明されています。これは、個々の製品の処方がすべて同じという意味ではありません。[4]
セルフカラーを避けた方がいい髪・施術履歴
次のような場合は、この記事では自己判断での染毛を勧めません。髪の状態を見てもらってから、できる色や施術方法を決めましょう。
| 髪の状態・履歴 |
相談をすすめる理由 |
| 黒染め、暗い白髪染めをした髪を明るくしたい |
染めた部分が明るくなりにくく、新しく生えた部分との色差が出ることがある |
| ブリーチ、ハイライトをしている |
部分ごとの明るさや傷み方が異なり、一律の塗布では仕上がりを予測しにくい |
| 縮毛矯正・パーマの履歴がある、近く施術予定がある |
髪への負担に加え、色や形への影響を考えて順序・間隔を相談する必要がある |
| 切れ毛や強い絡まりが目立つ |
追加の薬剤処理をする前に、毛髪の状態の確認が必要 |
| ヘナ、ヘアマニキュア、特殊な白髪染めなどの履歴がある |
使用製品により、次のカラーの染まり方が変わる場合がある |
この表は、メーカーが示す髪色変化・毛髪損傷・施術上の注意を踏まえた、本記事の相談目安です。「一度でも施術した髪は永久に染められない」という意味ではありません。[2・3・5・6]
なお、過去のかぶれや頭皮の傷は、仕上がりとは別の安全上の問題です。該当する場合は、後述の使用を避ける条件を確認してください。
美容室へ行った方がいいケース
髪の履歴に問題が分からなくても、次のような希望・状況では美容室への相談をおすすめします。
- 今の髪色から大きく明るさを変えたい。
- 黒染めを明るくしたい、色ムラを直したい。
- 根元・中間・毛先の色が異なり、どこへ塗ればよいか分からない。
- 後頭部まで塗るのが難しい、必要な時間や準備を確保できない。
- 大切な予定があり、希望する色や仕上がりを細かく相談したい。
色ムラが出ても、自己判断で次々に染め重ねる前に相談してください。来店時には、使用した商品名・色番号、染めた日、塗った範囲と、今後やりたい色を伝えましょう。
ただし、かゆみ・赤み・腫れなどがある場合は、美容室で染め直すのではなく使用を中止し、医療機関に相談してください。サロンの薬剤に替えればアレルギーを避けられる、とはいえません。[7・8]
失敗を減らす市販カラーの選び方
1.白髪を染めたいのか、髪色を変えたいのかを決める
白髪染めとおしゃれ染めでは、想定する髪や仕上がりが異なります。白髪を目立ちにくくしたい場合は、まず白髪用と表示された製品を確認しましょう。おしゃれ染めでも白髪に色がつくことはありますが、希望どおりに隠れるとは限りません。[3]
2.今の髪色を基準に、仕上がり見本を読む
箱の正面写真だけでなく、染める前の明るさ別の仕上がり見本を見ます。特に、黒染めした髪を明るくするために、明るい色番を選ぶだけでは対応できない場合があります。[2]
「必ず1段階暗めを選ぶ」などの一律のルールではなく、製品の案内と今の髪色に合わせて検討してください。
3.剤形は、染めたい範囲と使い方で選ぶ
| タイプ |
選ぶときの確認点 |
| 泡 |
全体になじませる使い方が中心。根元だけに使えるかは製品の説明を確認 |
| クリーム |
塗る範囲を調整しやすいものがある。部分染め対応や付属のブラシを確認 |
| 乳液 |
ノズル・コームなどの形状、全体染め・部分染めの手順を確認 |
泡なら必ずムラにならない、クリームなら傷まない、といった判断はできません。塗布方法は製品ごとに確認してください。泡とクリームの使い分けは、メーカーの案内も参考になります。[9]
4.長さ・毛量に必要な量を、染める前にそろえる
箱に記載された使用量の目安を確認し、不足しそうなら必要な個数を準備します。途中で薬剤が足りなくなることを避けるためです。違う製品を混ぜたり、水やトリートメントを加えたりして量を増やさず、指定の使い方を守ってください。[9・10]
染める前の安全確認|説明書とパッチテストを優先する
過去にかぶれた方は、自己判断で再使用しない
酸化染毛剤は、まれに重いアレルギー反応を起こします。以前は問題なく使えていても、次回も問題がないとは限りません。[7]
過去にヘアカラーでかぶれた方は、別ブランドへの変更や自分でのパッチテストによる再挑戦をしないでください。染毛中・直後のじんましん、息苦しさ、めまいなどの経験も使用を避ける条件です。頭・顔・首筋の傷や皮膚の病気、皮膚が過敏な状態など、使用説明書の「使用しないでください」に該当する場合も使用を控えます。[8・11]
毎回、染める48時間前からパッチテストをする
使い慣れた製品でも、毎回必要です。具体的な混合比率や手順は、使う製品の説明書に従ってください。
一般的な手順では、指定どおりに作った少量のテスト液を腕の内側へ薄く塗り、30分後と48時間後に観察します。塗布直後からの変化にも注意し、絆創膏などで覆わず、濡らしたりこすったりしないようにします。[7・11]
途中でかゆみ・赤み・発疹などが出た場合は、48時間を待たずに洗い流し、染毛を中止して皮膚科医に相談してください。染める当日に短時間試すだけでは、この確認の代わりになりません。[11]
使用中・使用後の異常を我慢しない
染毛中に強い刺激、かゆみ、赤みなどが出たら、直ちに薬剤を十分洗い流し、医療機関を受診してください。呼吸困難や全身のじんましんなどの強い症状は、緊急の医療対応が必要です。染毛後に異常が出た場合も受診してください。[7・8・17]
薬剤や洗い液が目に入った場合は、こすらず、直ちに水またはぬるま湯で15分以上洗い流し、すぐに眼科を受診します。眉毛・まつ毛など頭髪以外には使わないでください。[8]
セルフカラーの染め方|製品の手順に沿って進める
1.必要な道具と作業場所を準備する
説明書を最後まで読み、手袋、汚れてもよいタオル・衣類、時計などをそろえます。換気できる場所で、薬剤が付く可能性のある床や周囲を保護しましょう。生え際への保護クリームを案内している製品では、その指示に従います。パッチテストは別に必要です。[10・11]
2.塗り方を確認してから、薬剤を用意する
混合する製品は、使用直前に指定どおり調製します。髪を乾いた状態で使うか、どう分けるか、どの道具を使うかも説明書に従います。準備を済ませてから混合すると、手順の途中で迷いにくくなります。[17]
3.製品に合った順番・範囲に塗る
全体染めと根元の部分染めでは、必要な塗布範囲が異なります。泡タイプとクリームタイプでも手順が違うため、塗る順番を一律に決めないことが大切です。
根元だけが気になる場合は、部分染め対応の製品かを確認し、説明書に沿って使用します。色の違う部分や傷んだ部分があり、塗り分けに迷う場合は美容室へ相談してください。[1・9・10]
4.放置時間を守る
タイマーで時間を管理し、「もっと染めたいから」と自己判断で延長しないでください。ドライヤーでの加温など、説明書にない工程も加えません。[9・10]
5.十分にすすぎ、指定の洗髪・ケアをする
放置後は薬剤をよくすすぎ、製品の指示に従ってシャンプーやコンディショナーを使います。「染めた当日はシャンプーしない」と一律に考えず、染毛直後の薬剤を洗い落とす工程を省かないでください。 日本ヘアカラー工業会の一般的な手順でも、すすぎ後のシャンプーが案内されています。[10]
混合後に残った薬剤は保存せず、説明書に従って処分します。容器内でガスが発生し、破裂する危険があります。未混合の薬剤を残せるかどうかは、製品によって異なります。[12]
セルフカラー後のアフターケア
摩擦と、同じ場所への熱の当てすぎを避ける
洗髪後はタオルで押さえるように水分を取り、強くこすったり、絡まりを無理に引っ張ったりしないようにします。トリートメントなどは、使用量・塗布場所を製品の表示に合わせてください。
ドライヤーは取扱説明書に従い、同じ毛先へ熱を当て続けずに乾かします。ヘアカラーなどで傷んだ髪は、日常の摩擦や強い引っ張りにも注意が必要です。[5・13]
具体的な順番は、ドライヤーの正しい乾かし方|くせ毛・カラー毛・縮毛矯正毛のコツでも紹介しています。
ケアで手触りを整えることと、染めムラや髪色そのものを直すことは別です。ケア用品だけで希望の色になる、色持ちが一定期間延びる、といった保証はできません。
掲載ケア用品の役割と購入時の注意
以下はカラー剤ではなく、ヘアケア用品です。すべてそろえる必要はありません。個人的な使用レビューではなく、メーカーが公開する用途をもとに整理しています。
ロレアル パリ ボンド リペア シャンプー
メーカー公式では、ダメージのある髪向けのシャンプーとして紹介されています。この情報から「誰にでも低刺激」「高い色落ち防止効果がある」とは判断できません。[14]
ミルボン クロナ アフターカラートリートメント3
メーカーがホームケア用として紹介しているトリートメントです。この記事では、染料を補って色味を変える製品としては紹介しません。使用頻度や使い方は製品表示・担当美容師の案内に従ってください。[15]

ミルボン クロナ アフターカラートリートメント3 36g×3個セットの販売ページを見る(広告)
ミルボン エルジューダ サントリートメント セラム
メーカーの紹介では、UVケア機能を備えたオイルタイプの洗い流さないトリートメントです。髪色の維持を保証する製品としては扱いません。[16]
セルフカラーは、髪の状態と目的に合わせて選ぶ
セルフカラーへの本音は、「自宅で染める選択を尊重しつつ、難しい色直しや履歴のある髪は、染める前に相談してほしい」ということです。
使用条件を確認し、パッチテストと説明書の手順を守ることが前提になります。次に美容室へ行くときは、使った商品・染めた日・塗った範囲を伝えてください。無理に一度で理想の色にしようとせず、今の髪に合う方法を選びましょう。
参考情報
確認日:2026年9月27日。安全性は公的機関・メーカー・業界団体の一次情報を参照しています。個々の製品では、手元の使用説明書が優先です。
- 日本ヘアカラー工業会|理美容師さんへ何でも聞いてみましょう — サロンでのカウンセリング、薬剤選定、新生部と既染部の塗り分け。
- 花王|明るさを選ぶ/黒髪の色を変える — 元の髪色による仕上がり差、黒染め後の明るさ・色ムラ。
- 日本ヘアカラー工業会|Q&A(ご自宅で染められる方) — 白髪用とおしゃれ染め、ヘアマニキュア等の履歴、パーマとの関係。
- 消費者安全調査委員会|毛染めによる皮膚障害 調査報告書 — 2015年公表。冊子26ページ(PDF33ページ目)の市販用・業務用の制度上の区分。
- 花王|キューティクルの傷み — 薬剤処理・摩擦・引っ張りによる毛髪損傷。
- 花王|パーマ・縮毛矯正とヘアカラー、どちらを先にすればいいの? — 施術順の個別相談。
- 厚生労働省|毛染めによる皮膚障害 — 繰り返し使用でのアレルギー発症、30分程度・48時間後の観察、異常時の対応。
- 厚生労働省|染毛剤、脱色剤及び脱染剤の使用上の注意について — 使用を避ける条件、手袋、頭髪以外への使用禁止、目に入った場合の洗浄と眼科受診。
- ホーユー|セルフ泡カラーは簡単?クリームタイプとの違いや染め方を紹介 — 泡とクリームの使い分け、使用量、説明書に沿った手順。
- 日本ヘアカラー工業会|ヘアカラーの準備や手順を確認しましょう — 事前準備、塗布・放置・すすぎ・シャンプー。
- ホーユー|ヘアカラーの前に「皮膚アレルギー試験(パッチテスト)」 — 毎回48時間前、テスト手順、かぶれ経験者は再使用・パッチテストをしないこと。
- 日本ヘアカラー工業会|使用後の薬液の取扱いを理解しましょう — 混合液の保存禁止と容器破裂の危険。
- ミルボン|正しい髪の洗い方7ステップと悩み別ヘアケアを解説 — タオルでの吸水、ケア用品、乾燥。
- ロレアル パリ|ボンド リペア シャンプー — 製品名・440mL・用途・使用方法。
- ミルボン|CRONNAのリアル体験イベントに潜入取材 — メーカー記事。アフターカラートリートメント3がホームケア用であることのみ参照。記事内の体験談は転用しない。
- ミルボン|エルジューダ サントリートメント — メーカーによる旧製品の紹介。オイルタイプ・UVケア用途。現行在庫や廃番時期の根拠には用いない。
- ホーユー|シエロ ヘアカラークリーム 使用説明書 — メーカー説明書の例。使用直前の調製、換気、異常時の対応。固有の放置時間等を別製品へ一般化しない。